───そこは、生きる意味を求める者たちの戦場。
女子高生・入椅子玲子の日常は、もしかしたら、雨のような流星が降り注いだあの日、もう終わってしまっていたのかもしれない。
いつの間にか変貌していた日常。愉快だけれど普通じゃない仲間たち。
良佳、ミヤコ、千鳥、そして苦労人の友氏を長とするUGN・N市支部の面々は、一人の少女と出会ったことを切欠に、“生の意志”を問われる戦いに踏み込んでいく。
食べることでしか生きられない世界で、いつか食べられるために生きることに意味はあるのか？
躍る無数の少女たちの影の下で、被食者たちの光を探す歩みが始まる。
入椅子 玲子、友氏 生二、『鉄の絆』、未和 ささめ、坂波 靜香
鷺崎 朱茜、降旗 佳人
多部等レル、“シスターズ”、メイカーズセル
甘狐 紺（、ネビュラ）
被食者の生の意味
ボス：毒林檎ノ眠リ姫
登場：未和ささめ
ひょんなことからUGN・N市支部のバイサズ対策部隊に入隊することになった入椅子。
ふとした切欠で出会った少女・ささめと交流を持ったことから、周囲に事件が起こり始める。
死に瀕する彼女の寿命を延ばすため、力を分け与えるべきなのか？
懊悩する傍らで、タイムリミット───眠り姫の魔の手は隊の面々、そしてささめにも及び始める。
ロイスを結びオーヴァード化を選択した場合、ささめがメンバーに加わる。
彼女の存在/不在はその後のシナリオ展開に大きく影響する（以下はオヴァ化ルート前提）。
なお、ささめとの接触にはβの因子が関わっており、入椅子は特別なものを感じる。
ボス：シスターズ（《過剰因子》《聖惨唱》《喜怒哀絡》）
登場：多部等レル
“絶対被捕食者”の性質を持つバイサズ、レルを保護したUGN・N市支部。
彼女の分析からバイサズの飢餓欲求を満たす「β」の存在が明らかになる。
彼女を放ったセルの追跡を行う内、友氏隊は、「βの因子」を持つFHエージェント───“シスターズ”と接触、交戦することになる。
「あたしらは死ぬしかないんだ。死んで、食べられて、一つになる───そして、最後の一人ごと皆で死ぬ」
利用され続けるβシリーズの運命に決着を付けるため、因子の捕食統合、「死の総意」による終わりを目論む“シスターズ”と、「生きる意思」に基づきシリーズを救おうとする入椅子・ささめ。
この回では決着が付かず、レルを守り、より安全な施設に移し終えることで回が終了する。
ここでも「βの因子」を持つシスターズ、レルとの共振が入椅子に生じ、入椅子が通常のバイサズオーヴァードではないことが示唆される。
ボス：バイサズテロリスト*鎧襲一蝕《アンダーメイル》
登場：シスターズ、三隅*セルシウス
永山隊よりもたらされた情報により、未曾有のテロを防ぐための総動員戦に参加する友氏隊。
ミヤコ・ゆのの共同戦線が“電子制御”と火花を散らす中、拠点を防衛するシスターズ、そして新たな“シスターズ”である第三の鎧の少女が姿を現す。
こちらではペアで行動するテロリストのもう一人がボス。
彼女もまた虐げられ、その果てに“強者”の側へと転向することを望んだ者だった。
被食者を捕食者に変える鎧を身につけた彼女を倒し、二つある爆弾の一つを炸裂阻止することがクリア条件。
突如として出現し、一夜の内に数十人に及ぶバイサズを狩り殺した怪物・Null Void。
バイサズのそれを含むあらゆる攻撃が減衰され、驚異的な勢いで回復・収奪を実行するそれに対し、有効とされる唯一の手段は「βの因子」を打ち込み、「αの因子」を叩き付ける隙を作り出すこと。
度重なる捕食を繰り返し、出動した防衛隊の装備をも取り込んで存在規模を増すvoidに、対策部隊は連携しての攻撃作戦を計画する。
友氏隊の役目はレルから抽出した「βの因子」をvoidのコアへと打ち込むこと。
被食者から被食者へ。取り返しの付かないものを失ってしまったものに、ほんの一瞬の邂逅の瞬間を作り出すために。
「私！あなたに届けに来ました！」
魔眼の暗闇に覆い尽くされた深層に、雷撃の紫電が光を点す。
「大切な気持ちを！届けに来ました！」
ボス：メイカーズセル、“シスターズ”
最後の戦いその1。UGN専門部隊総出で行われたセル襲撃作戦。
βの在処を求め、ついに辿り着いたメイカーズセルの研究所で、シスターズと入椅子たちは三度相まみえる。
そこで友氏隊が目にしたのは、様々な形で“活用”され、量産されようとする培養中の多くの“姉妹達”の姿だった。
「これを見ても、まだあたしらは“生きるべき”だと思うのか？」
シスターズは死亡するまで戦うか、説得次第で仲間になる。
戦闘が終了し、メイカーズセル拠点を制圧するとクリア。
ボス：封印領域、αバイサズ
登場：β
入椅子の能力の核となっていたのは、α・β降下時に降り注ぎ、彼女の中で発芽したβそのものの破片だった。
βとの対話を経て、入椅子は「βの娘たち」の総意をαに届けるべきだと訴える。
成層圏に封印され、発射の時を待つ巨大装弾と化したα。
地表全土への“α因子”散布を防ぐため、友氏隊は永山・氷室両隊のバックアップを受け、“シスターズ”たちと共に成層圏へと向かう。
片割れを失い、砕けてしまった彼に、半身からの思いを伝えるために。
───その日、再び夜空に流星の雨が降り注ぐ。